■打出しのスピン量は約10年間で300回転低下している。
PGAゴルフツアーの飛距離向上の要因を
ヘッドスピードやボールスピードを中心に解析してきたが、
打ち出し時のスピンについても触れておきたい。
一般的にドライバーのヘッドスピードが45m/s以上なら
2200~2400回転が適正値であるとされるが、
10年間でPGAツアー選手の飛距離が上がっているのにも関わらず
平均スピン量は約300回転下がってきている。
また、スピン量が少なくなっていると言う事は、
曲がりにも強く、飛距離をロスせずに飛ばせていると推測できる。
■スピン量を減らす事が飛距離の伸ばす重要な要因
2008年から2017年までの平均飛距離とスピンの相関を見てみる事にしよう。
相関係数R=0.93と非常に関連性が高く、
スピン量の低下はヘッドスピード及びボールスピードに加え、
飛距離に影響を与える重要な因子の一つという事が解る。
グラフからはPGAツアーのトッププロですらも、
スピン量が100回転の低下すると1.5Yも伸びている事から、
スピン量が多い(吹け上がっている)アマチュアゴルファーにおいても
決して無視できないデータとなっている。
■2017年シーズンの飛ばし屋達は低スピン弾道
2017年度のPGAツアーのスピン量は平均2572回転であり、
多くのPGAツアープロが2400〜2600回転で打撃している。
その中でも平均315Yを超えているロリー・マキロイとダスティン・ジョンソンは
2500回転以下の非常に低スピン弾道で飛ばしている。
キャリーでは他の選手と大きな差がない事から、
落下してから伸びやすい強弾道になっているのではないかと推測される。
2017年間王者で、ドライバーを得意としているジャスティン・トーマス(7位)も
平均2293回転と非常に低スピン(曲がりにくい)になっているもの特徴的だ。
■飛距離を伸ばしたいアマチュアゴルファーは・・・
過去10年間でスピン量が減少し、飛距離が伸びている背景には
低スピンドライバー・マルチピースゴルフボール等の
低スピン化を目指したゴルフ用品の開発競争が関係していると推測される。
タイガー・ウッズが言及した「ボールが飛びすぎている」要因は
筋力アップやスイングの進化によるヘッドスピードの向上に加えて、
ゴルフ用品の進化の相乗効果によるものではだろうか?
そう考えると飛距離を伸ばしたいアマチュアゴルファーは
「最新なスイング」を取り入れてヘッドスピードを向上し、
「最適なギア」を選定しスピン量を最適化する事で
飛距離アップの可能性が見えてくるかもしれない。
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